ASIAN RICE TERRACE PHOTO GALLERY  
静岡・山梨県の富士山が見える棚田

Japanese Rice Terraces

 
 
『日本の棚田撮影ポイント』が、Kindle版で出版されました。
  富士山が「富士山‐信仰の対象と芸術の源泉」という名称で世界文化遺産に正式に登録された。
独立峰で整った優美な形だからこそ、信仰や芸術に影響を与え、日本を象徴する山になったのだろう。また周辺の農民にとっては生活に密着した山でもあった。
ユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)が、富士山は世界遺産にふさわしいとして「登録を勧告した」というニュースが入ってきたのが2013年4月30日のこと。ちょうど棚田ではこれから水が入れられ、田植えの準備が始まろうとしている時期だった。
湖面に映る「逆さ富士」は有名で美しいものだが、棚田に映る逆さ富士は、5月から6月にかけての田植えの時期にしか見ることはできない。
そしてなんと言っても富士山が世界の「文化遺産」なら、先祖代々、農民が自然と共にこつこつと作り上げてきた棚田もまたりっぱな「文化遺産」だろう。「富士山」と「棚田」の競演こそ、日本的な風景と言えるかもしれない。そう思って富士山が見える棚田を探してみることにした。
富士山を一周するように豊富な水を利用して多くの棚田が点在していた。
富士山の東側、御殿場市で出会った、真正面に富士山を見ながら田植えをする農家の女性は「自慢の風景ですよ」という。富士山は聖なる信仰の山であると同時に、ふもとの人々にとっては、日常の風景の一部である身近な山でもある。
また、農業には欠かせない山でもあった。春には富士山に現れる残雪の模様「雪形」を見て農作業を始めるという「自然暦」の役目も持っていた。富士山北麓では、鳥が羽ばたく姿の「農鳥」と呼ばれる雪形が見える。また葛飾北斎が「富嶽百景」の「甲斐の不二  濃男」に「農男」と呼ばれる農作業をする人の姿の雪形を描いている。
棚田ごしに見る富士山は、瑞穂の国、日本らしい風景といえるのではないだろうか。
 

 

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お知らせ

2013年7月11日号の「週刊新潮」後ろのグラビア3ページに「富士山が見える棚田(御殿場市&南アルプス市)」掲載。


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